07.研究室配属希望者へ

配属希望者へ

実験風景

 「コンクリート工学研究室は、社会基盤整備において最も重要な材料のひとつであるコンクリートを扱い、その構成材料であるセメント、骨材、混和材料などの性質やコンクリートへの影響、材料の変化に伴うコンクリートへの影響、環境への影響や環境との共存対策等の検討、コンクリート構造物の維持管理に係る技術や施工性に優れる新たなコンクリート技術の開発をめざしています。

 実務においては、3力学(構造、水理、土質)とともに、コンクリート自体のことを良く知っていることは土木系のどんな職種についても役立つことが多いと言われます。
特に、ゼネコンや補修関係会社では実験系の研究室出身の学生を望むケースが多く、そのような就職を望む学生が多く集まってきます。

実験風景

 研究室の方針としては、実験や解析で培われた協力・協調の精神とコミュニケーション力を武器に社会に必要とされる人材の育成を目指していますので、ガンガン実験や解析をやって、研究室でリーダーシップを発揮して、社会に巣立っていけるよう指導していくつもりです。

 毎年の研究室の目標は、「ケガや事故なく研究活動を行い、全員卒業」です。

 協力・協調の精神とコミュニケーション力を身につけて社会に羽ばたきたい人は、ぜひ配属を希望してください。積極性のある人の挑戦を待っています。」

よくある質問

質問

特別研究のテーマはどのようにして決定し進めていくのですか?

答え

 研究テーマは、研究方針に示している領域の研究に限られ、学生諸君の発案した全く独自の(研究室方針と異なる)ものになることは難しいです。ただし、やってみたいテーマを持っている人は是非アピールしてください。これまでの研究の進み具合から、その年度に、どういった方向に研究を展開していくかでテーマの内容が決まります。まず、学生諸君の希望を聞いて、最終的には、学生諸君の進路(大学院進学希望の有無)や得意不得意(実験向き、解析向き)などを考慮して教員が判断し決定します。
 4年生のうちは基本的には、院生とグループを作って院生+教員の指導を受けながら研究を進めていきます。テーマの方向は与えられますが、内容や研究の進め方については学生諸君が積極的に考えていってください。なかなか思うようにいかないこと、材料や装置の入手が困難になることもあり、そんなときには研究テーマの方向が大きく変わることもあります。なお、対応すべきテーマに応じて学生を配分するため、必ずしも希望通りの研究テーマとならない場合があります。具体的な研究テーマについてはこちらを参照してください。

質問

研究室のスケジュールを教えてください。

答え

 研究室では、原則としてコアタイムを定めており、10時から17時は研究室で活動(実験・研究)することになります。もちろん、意欲のある人はそれ以上やっています。
 流れとしては、1週間に1回、研究の進捗状況とその後の実験計画について、教員や研究グループメンバーと議論します。2、3か月に1回は、研究室全体での議論を行います。臨時に全体に周知する事項がある場合は、適宜全体ゼミを実施します。ただし、研究計画(実験スケジュール等)を念頭に置き、計画通りに進められるように、自己管理する能力が求められます。今年度の主なスケジュールはこちらを参照してください。

質問

特別研究の指導は厳しいですか?

答え

 特別研究の内容は、研究室によって様々ですので、比較することは難しいと思いますが、コンクリート工学研究室は忙しい方だと思います。ただし、それは一人で研究室や自宅で進める研究と違い、大学で実験や解析を行い、しかも一人ではできないことが多く、研究室メンバーに手伝ってもらうことが多々あるため、お互いに助け合うことが多く時間が拘束されるからだと思います。これは、本研究室の大きな特徴であり、そのような生活の中で、自分のことだけでなく、仲間のことも配慮し、助け合いの精神や協調性を養うことができます。実際に、研究室の学生は大変仲良くやっていると思います。
 社会に飛び出して行く前に、研究室で社会の模擬体験をすることができ、いろいろな問題に直面します。失敗やトラブルもあります。しかし、それを皆と議論しながら、解決したり、悩んだりすることが社会に出てから役に立つと信じています。若いうちは特にいろいろ考えることが必要です。また、多少大変なことを大学で経験しておくと、社会にでてからの免疫ができます。多少つらくても、「このくらい大学でやってたよ」と思えることは強みになります。
 評価に関しては、当たり前の話ですが、平等に評価します。他の先生方と比較して厳しいとは思いませんが、甘くはないです。頑張った人は良い評価となり、サボった人は悪い評価になります。頑張らなかったことで成果が出なかったり、自分の能力の出し惜しみをしたりした人には、低い評価が付くでしょう。しっかり自分で考え、優れた成果を出した人には「秀」や「優」が付くでしょう。ただし、「優」や「可」等であなたの人間性や人生が決まってしまうわけではありません。その評価がどういう意味を持つのかをしっかり考えることが大事です。

質問

大学院に進んだ方がいいですか?

答え

 企業によっては、大学院生の方が就職に対して有利になる場合もあります。しかし、一番重要なことは、あなたがなぜ大学院に行きたいのか、大学院でどのような研究をしたいのか、大学院修了後にどのような就職を希望するのかという点においてしっかり考え、答えることができるかということです。なんとなくとか、もう少し自由な生活がしたいということから大学院に行こうと思うのなら、やめた方がいいでしょう。2年間大学院に行っても、その分のステップアップができずにアドバンテージを得ることができず、就職もうまくいかず、修士論文作成に苦労することは確実です。しっかり目標を設定して、その達成に向けて頑張ることができる人なら大学院に行く価値はあるでしょう。

質問

他大学の大学院を受験することはできるのですか?

答え

 基本的に大学院を受験するのは個人の自由ですから、他大学大学院を受験することは可能です。しかし、自分がやりたいことができるのかどうか、変化した周辺環境の中でこれまで以上に積極的に研究活動ができるのか、自分を成長させることができるのかをしっかり考え、どの大学院を受験するかを考えてみてください。安易に学費だけの理由や自宅から近いという理由だけで大学院を選ぶとうまくいかない場合もあります。

質問

就職する分野との関係は重視して研究室を選ぶべきですか。

答え

 「ゼネコンに就職したいけれど、どの研究室を選ぶべきですか」という質問を受けることがよくあります。この答えは、個人個人によって異なります。例えば、ゼネコンに就職したいのに、計画系の研究室に所属していると、採用する企業はどう思うでしょうか。企業によるとも言えますが、現場に出る人をとりたい企業は実験系の研究室に所属する学生を取りたがる傾向があるようです。公務員になりたい人でも、発注者の立場ではやらなくなる実験系の研究室の内容を学生のうちにやっておきたいと思う人もいます。所属する研究室で就職が限定されるということは基本的にはありませんが、採用されにくくなる場合もありますので、各分野の先生方に相談してみてください。

質問

どういう人がコンクリート工学研究室に向いていますか。

答え

 難しい質問ですが、一人で研究したいとか、大学での特別研究や研究室の仲間との時間を過ごすことより、自分の時間を持ちたいという人にはあまり向いていないと思います。なぜなら、実験の関係から自分の実験以外にも仲間の実験を手伝うことが必要になる場合もあり、仲間と助け合ったり、協調しあったりすることが重要になるからです。いい社会勉強ができると思いますよ。

  
質問

コンクリートの勉強をしても社会に出ると役に立たないって聞きましたが・・・。

答え

 大学で何を学ぶかという考え方によると思います。大学を就職のための予備校的に考え、関西大学という一ブランドのもとに就職を決め、大学は卒業さえすればいいと思っている人には、大学での勉強なんて役に立っているとは思えないでしょう。さて、大学は就職のための一ブランドに過ぎないのでしょうか。私は、そう思って卒業していく人はとても可哀そうな人だと思います。大学時代に学ぶことというのは、あなたを決して即戦力の人材にはしてくれません。しかし、大学で経験すること、研究室で経験することは将来のあなた自身への投資です。物事の考え方、他人と協調して事を進める方法、人間関係の保ち方、目上の人や後輩との接し方や指導方法、困難に立ち向かう術などを特別研究や修士論文のテーマに係ることを通して学び経験します。決して技術的な知識だけが重要なわけではありません。だから、コンクリートの勉強をしても直接すぐに役立つ人と後々役に立つ人、直接ではないけど間接的に役立つ人など人それぞれです。全く何も役立たないという人はいないでしょう。教員は、自分のテーマに係ることを学生に押し付けたいのではなく、それを一つのツールとして皆さんにいろいろな経験をさせ、考える力をつけてほしいんだと思いますよ。少なくとも私はそう思っています。

質問

相談したいことがあるのですが・・・。

答え

 第6実験棟4階の鶴田個室に質問に来てください。E-mailでアポイントをとってもらうと確実に対応できます。
⇒E-mailアドレスはこちらを参照してください。

  
質問

研究室の学生さんの話が聞きたいのですが・・・。

答え

 第5実験棟4階の研究室に気軽に行ってみてください。いろいろと答えてくれると思います。ちなみに、卒業生からの皆さんへのメッセージをいくつか紹介しておきます。「講義や実習だけではわからないことが実験をしてみてたくさん見つかった。将来、コンクリート関連に携わりたいなら実際に体験してみるとよいと思う。卒業論文に関しては、過去の卒業生や教員がある程度レールを敷いてくれているので何も心配することはない。ヤル気だけあれば進むことができる。」「研究室は自分がやりたいこと、学びたいことを中心に決める方がよい。コンクリート工学研究室では、材料の特性や配合、性状についてより深く学ぶことができる。どのような就職先であってもこの経験は貴重なものであると感じる。」「コンクリートを皆で打設したり、複数人で実験を行ったりすることが多いので、協力して何かをするのが好きな人には向いている研究室だと思います!コンクリートに興味がある人、お待ちしています!!」