日々雑記


明けましておめでとうございます

2022-1-1

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年、特に後半はドタバタとした毎日だったが、今年は、いったいどうなることやら・・・。

大学ではようやく「一人前」(相変わらず失敗も多いが)とみなされる齢。終始慌ただしかった昨年に比べ、今年はなんとか落ち着きたい。

送られてきた年賀状を見ると、同級生はそろそろ本年度末で退職、その後は再雇用といった感じ。
少し年長の方をみると、趣味にいそしんだり、各地の仏像調査(これは報告書が出ないパターン)などと。

まだまだ現役、やり残している事がらも多い。
本年も頑張んべ。

top

安心して勉学せよ

2022-1-4

遅れて帰省してきた上娘と氏子にあたる神社へ初詣。

参拝後、御神籤。巫女さんに頂いたみくじ箋を見ると、「大吉」。おぉ~!!長らく見たことがなかった御神籤。

気を良くして、隣接の総社本殿(国重要文化財:慶長期。現在修復中)にも参詣。
教育委員会が建てた修復作業経過の案内板。よくわかる説明文だが、修復前社殿全景写真がモノクロ。よくみると「昭和19年」とある。
これまで、誰も社殿全景の写真を撮っていなかったのか?といぶかるばかり。

市町村ではママあることだが、地元のことゆえちょっと複雑。

top

沖縄 逼迫

2022-1-5

初仕事。

学内各所への回答を処理しながら、手帳に当面の予定を記していると、沖縄での講演会の日が大学卒業式(学部)とバッテングしていることに気づく。ヤバいよ、ヤバい・・・。
慌てて、沖縄県立美術館・博物館へメール。

返事が来て「日時をご確認ください。令和5年(2023)3月」と。15か月先か・・・。安堵しながらも、講演予定日はいずれにしても卒業式にあたりそう。 無理言って、1週ずらしてもらう。ほぼ日程が決まった時点で「なぜそんな先の予定?」と問うたところ、博物館行事カレンダー作成との由。

何が起こるかわからないのに、と思いつつニュースを見ると、沖縄はオミクロン株感染の拡大で、明後日にも「まん防」決定とのこと。
ただいま、来春の講演会どころではない様子。
top

ブラックな香り

2022-1-7

授業再開。金曜日ながら月曜日の授業。
冒頭、年始の挨拶ともどもやや早いが新成人の学生を祝う。

授業が終わり、メールを確認すると午前中に某役所に出したメールに添付ファイルがないとの返事。慌てて再送。やれやれと思い、通常通り23時前に帰宅。
ところがである。
帰宅後、再度メールを確認すると、早くも担当職員氏(女性)から返信。返信時刻は21:34。(たぶん職場から)

いや、幼稚園のお子さんもいるでしょうにもっと早く帰らなきゃダメじゃん。
仕事が溜まっているのはわかるけれど、家庭あっての仕事でしょう。

無茶ぶりの職場と多々仄聞するものの、添付忘れで垣間見たブラック自治体の香り。

top

原稿遅延

2022-1-10

休日ながら大学。
先行研究を知る、理解することから論文は始まる・・・。

ところが、史料も掲出しているのに記述がおかしい論文がある。何度読み返しても史料に根拠となる記述が見いだせない。

幸い図書館が開館しているので、色々と探すも同じような記述しかない。
朝から来てどっぷりと日が暮れるまで、大学にいたのに、数行しか進まなかった・・・。

原稿の締切遅延、必至となる模様。

top

相変わらず色々

2022-1-11

終日雨。寒い一日。今日、明日と卒論提出日。
いつものことだが連絡がないので、無事に提出できたのであろう。

こちらは明後日のゼミ発表(川合玉堂・東山魁夷で〆)に備えてスライド作製。
川合玉堂。1890年に《春渓群猿図》《秋渓群鹿図》を第3回内国勧業博覧会に出品入選。このスライドも必要らしいがそもそも作品がない。文章で書かれた作品全てが現存するとは限らないのである。「掲載された図録等があれば、持参して下さい」と(嫌味なセンセ)。

東山魁夷。《道》と関連して《静朝》を掲出したいとのこと。《道》は有名な作品なので《静朝》もすぐさま見つかるだろうとタカを括っていたが、たいへん。アートビギナーズコレクション(東京美術)『もっと知りたい東山魁夷 生涯と作品』に掲載されているが、図書館に配架されていない。
やむなく、大著の東山魁夷カタログレゾネを借りてくる有様。ちょっとたいへん。

その後、学生(1回生)にメールを打っていて今日も“ポッキーの日”だと気づく。
昨年11月1日の授業後に当該学生から、”投げ銭”ならぬ“投げポッキー”を貰った。
遅まきながら、記して感謝。

top

閲覧注意

2022-1-12

期末レポートの時期。1回生(女子学生)からの質問。
皆金色の仏像で、肌色を金泥、服を漆箔で塗り分けた点ですが、仏の肌に、より輝いて見える漆箔を貼らないのはどうしてでしょうか?とのこと。

文章で説明するよりも百聞は一見にしかず、「舞踏集団『大駱駝艦』”金粉ショー”を見て下さい【閲覧注意!!】」とし、「男性ダンサーは顔まで金粉を塗り、スター・ウォーズのC-3POのようです。女性ダンサーは素顔か白粉を塗っています。さて、どちらが人(仏像)として温かみが、感じられるでしょうか?」と回答した。

皆金色での金泥塗、漆箔の違いを”金粉ショー”で説明する教員もどうかと思ったが、その後、「先生の仰るとおり女性ダンサーのほうが温かみが感じられます。男性の方はロボットみたいに見えました。」と返答。安堵。
それ以上に1回生の講義でそうした内容を話した記憶がないが、きっと余談で話したのだろう。普段はTDLの冬のパレードを引き合いに出すのに・・・。

おバカ教員、ここに極めり。

top

仏像ひな型の世界

2022-1-14

小雪舞うなか、龍谷ミュージアム「仏像ひな型の世界Ⅲ」へ。

90点余のひな型が展示。
30代康傳・31代康音の弟子「石河専右衛門」によるひな型が5点も出品。石河作のひな型は以前の展示でもみた・・・。
作品を見ながら、ひな型は棟梁だけでなく弟子も制作するのかと思う。

弟子といえば、康正の弟子とされる久七康以が80歳に造ったとする邪鬼。年紀は寛文2年(1662)。逆算すると、久七康以は天正10年(1582)生まれとなる。
康正は天文3年(1534)生まれで、康正晩年の弟子とわかる。長男康猶も天正14年(1586)生まれで、年齢的に変わらない。 真然大徳坐像(1660年:久七康以78歳)が最晩年の制作となろうか。

後ろ髪を引かれながらも大学に戻る。これまでのように再見学必須の展示。

top

大丈夫か…

2022-1-18

本日にて授業終了。
あとは、来年度のシラバスと筆記試験及び成績・・・。

20日にゼミ分けガイダンスがあり、希望届を提出させる。
ところが、写メしてメールに添付してきた学生がいる。何故か画像が××.jpg_large。 このままでは、誰も開けることが出来ない。受け取った事務職員氏も困り顔。少し急いでいたのでこちらへ転送して下さいとお願いする。

送られてきたファイルを眺めていると、_largeが余計にくっついている。
その部分を削除して××.jpgにし、警告を無視して開くと、希望届の写メ画像。

これから就活本番だというのに、この体たらくぶり。
改ざん防止のためpdfファイルで送るのが一般的。社会では開かない添付ファイルの書類は受理されないんだよ。
小言を言おうとしたが、希望教員はこちらでないので無視しておこうかとも。

まだまだ学生モード。そんな調子だと、たぶんこの先苦労するよ、きっと。

top

調査の余談

2022-1-19

授業も終わって某所で仏像調査。若い研究者も同行。

拝見すると、14世紀初め頃の観音像。
細部観察は研究者に任せて、法量採寸から始める。
採寸終了頃に某氏曰く、「漆箔の下地が黒漆なんですが」と。見れば漆箔もまだ輝きを失っていない・・・。

江戸の修理ですね。修理時期は18世紀初頭前後あたり。台座・光背も同じような時期に新調されたでしょう。元禄から享保あたりとみれば問題ないです。
管理されている方がこちらの雑談を聞いていたらしく、「元禄?元禄の鐘があったはず・・・」と探し出し出てきたのが伏鉦。
見れば元禄9年(1696)の刻銘。

元禄あたりに寺(現在は廃寺)が仏像修復や仏具の新調など、栄えていた時期ですねと。
修理した仏師も彫り直しとかしなかっただけ、エラい。

調査中にできた雪道を恐る恐る下って、帰阪の途につく。

top

貼紙

2022-1-21

某市で会議。
指定候補資料に貼られた貼紙。洛中洛外図屏風などの資料には貼紙が付した作品がある。(左は参考例)

他分野の先生から「(資料は近世期だが)貼紙は明治時代に付されたもので、除去してもいいかも知れない」と。
確かに既に幾つかの貼紙は既に外れて別途保管されているが、こちらは「作品に付いている貼紙はそのままにして下さい」と意見を述べる。

昔、洛中洛外図屏風を修復するにあたり後世に付された貼紙を除去してしまい、肝心の寺院や地名など復元するのにどれだけ時間がかかったことか・・・とぼやいていた若い学芸員を知っている。

普段はソフトな対応のこちらだが、ちょっと語気が強かったらしく、結局、貼紙は現状のままで、指定答申。
制作時期は大切だが、後に付されたものも歴史を語るうえで大切だと思う。

top

しかめっ面

2022-1-24

ふたたび調査へ。10世紀後半とおぼしき十一面観音立像。
ふくよかな面相ながら目尻も吊りあがり、”しかめっ面”。
ちょっと怒っているようにも・・・。

見れば天冠台(頭の細い鉢巻)より上が違和感たっぷり。頂上仏面、正面化仏を含め仏面はすべて後補。しかも当初の髻を大胆にL字状に刳って仏面を載せている。そのため豊かな髻が無残にカットされている・・・。
なんだか美容室に行ったら、無茶苦茶に切られてヘタなパーマをあてられたような感じ。しかもクセ毛(ケヤキ?)

江戸期の魔改造に、こちらもさすがに憤り・・・。

撮影していると、臂釧、腕釧もなく、背面はほぼ変化がない。黙って長年耐えてきた渋みが感じられる・・・
とアホな事を考えながら、つつがなく調査終了。

top

はや、新入生専修別相談会

2022-1-26

まだ入試も始まっていないのに会議で「新入生専修別相談会」案内が配布。4月2日也。

去年もあったが、新入生は専修別相談会の掛け持ちをするので、グダグダ喋っていたら、退席して別専修のガイダンスへ移る有様。
と言っても、専修向けの授業は講義1と演習1のみ。他は一般教養と語学で共通である。一般教養と語学は、既に構内でクラブ・サークルが「履修相談会」が開かれているはず。
なんか、コミケと変わらない様相。

そんなに焦らずとも大丈夫よ。新入生専修別相談会はこの先、夏前と分属希望前の冬にも行われるんだから。

じっくりと学べる文学部はどこへ行ったのだろうかと、やや不安にも。

top

美の猟犬

2022-1-29

伊藤郁太郎『安宅コレクション余聞 美の猟犬』を読む。

伊藤氏の眼を通した安宅英一の眼を見る思い。安宅コレクションの柱であった速水御舟の山種美術財団への有償譲渡など、美術品購入の生々しい現場も伝えている。

読む以前はてっきり伊藤氏は大学で「陶磁器史」を専攻したものだとばかり思っていた。1955年 東北大学文学部美学美術史学科卒業なので、当時の(現在も)東北大学美学美術史学科に陶磁器や工芸を扱う教員などいなかった。安宅産業入社後に実作品を通して 陶磁器を学んだのである。

前職時代駆け出しの頃に、「大阪市立東洋陶磁美術館の『法花 花鳥文壺』は(旅客機の)ビジネスクラスに乗って大阪に来たんやで」と先輩学芸員から聞いた噂もほぼ確か(エコノミークラスだったが)であった。しかも手持ちだったとは。

文中に古美術商のM店やk店、F店やH店が出てきて、そのうち実名に変換されて読んでいるのに苦笑。

焼物はやっぱり、良い。

top

スタンバイ、OK

2022-1-31

明日から入試。
大学各所に受験教室の案内板。法文坂にも塩カリの袋が、山積み。キャリアセンターの窓にもこうしたポスターが、掲示されている。
明日から一部の学生と教職員総出(分担はあるにせよ)の一大イベントが開催。

あとは、入試期間に騒音が発生しないことを祈るばかり。
「飛鳥の庭」「悠久の庭」には、試験期間中に音立てるなの掲示がなされているが、意外にも大学構内は近隣からの音もよく聞こえる。
以前、試験監督の折に近隣で家屋の解体工事があり、大学の事情により工事を止めたこともあったようである。

分担以外の日に備えて卒論・修論のコピー取りや採点、恒例になりつつある年度末に向けての各地で行った調査報告書作成の準備で一日が過ぎる・・・。

top

過去ログ