屋内用小型ドローンの自律飛行に関する研究を行っています.
群れに興味があり,群飛行に関する研究にも着手中.
なお,このページは研究のイメージを掴んでもらうことを目的としているので,
かなり大雑把な説明になっています.
詳細を知りたい場合は是非直接聞いて下さい.
ボロノイ分割を利用した衝突回避
ボロノイ分割は,領域を母点に割り当てる方法の一種です.
このボロノイ分割をうまく使うと,各ドローンは障害物や他のドローンとの衝突回避をしながら目標位置に移動できます.例えば,障害物が散在している環境での衝突回避シミュレーションは以下のようになります.
以下のデモでは,MATLABで計算した目標位置をCoppeliaSimというシミュレータ上のドローンに送信し,動かしています.
モデル予測経路積分制御(MPPI)
モデル予測経路積分制御とは,乱数を使って将来の経路をたくさんサンプリングし,良い経路を通ることのできる制御入力を優先して採用する(経路の評価に応じて重みづけをした上で積分する)ことで,リアルタイムに移動しながら良い制御ができるように制御入力系列を更新することができる手法です.
以下の動画は,2箇所にスリットのある壁が存在する環境で,黄色の★で表された質点をMPPIを使って,なるべく x=0(真ん中)付近を移動するように制御した時の様子です.複数の細線はサンプリングされた経路を表していて,赤い線は壁にぶつかった経路,青い線は壁にぶつからなかった経路です.壁にぶつからない経路を生成できる制御入力を参照することによって,壁にぶつからない経路で移動できている様子が見られます.これを応用すると,クワッドロータが墜落したり障害物に衝突したりすることなく移動するための制御入力をリアルタイムに生成できます.
フォーメーション飛行
管制塔を使ってドローンの群れを一括制御することもできますが,それでは個々の機体が環境に対して柔軟に対応することはできません.そこで,隣のドローンの様子を見て(位置情報を参照して)自分の移動先を決めるための方法について研究しています.
以下の動画では,各ドローンは隣のドローンの位置だけを見て,同じ状態に合わせようとしています.そのため,徐々に同じ高さ・位置に揃っていきます.
カメラ画像の物体検出結果を利用した制御
以下の動画は,YOLOという物体検出手法でドローンのカメラ画像をリアルタイムに処理し,その結果を使って飛行制御を行っている様子です.左の動画は定点カメラの映像,右の動画はドローンのカメラ画像をYOLOで処理した映像です.ここでは,机にのったテディベアを動かした場合でも,テディベアがカメラの中心にくるように,ドローンが前後左右に移動しています.
▼2020年度卒業の太田さんが卒研で撮影した動画
以下の動画でも,ドローンのカメラ画像をYOLOでリアルタイムに処理しています.ここでは,カメラに映った物体が,3次元空間内のどの位置にあるかをプロットした物体位置マップを作成しています.
経路探索