社会学(差別と共生の社会学)

 マジョリティ-マイノリティ集団関係論
 特に、現代の部落問題

 現代社会におけるマジョリティ-マイノリティの集団関係について、社会的排除(Social Exclusion)のメカニズムを把握すると同時に、良好な集団関係を形成するための諸条件を析出することを目指している。これまで主たる対象として、被差別部落―部落外の社会関係に焦点をあて、結婚差別・通婚問題、部落外マジョリティの部落出身者への忌避的態度の測定とその解消要因の析出、部落の若年失業・不安定就労問題に見る社会的排除、さらには当事者運動としての部落解放運動の意義や、部落民アイデンティティの形成過程とその現代的ありようなど、「現代の部落問題」について、フィールドワーク・インタビュー・質問紙調査などの社会調査データに基づく実証研究を重ねている。

 
 これらに加え、若年不安定就労問題と社会的不平等の関連など、社会的に不利な立場に置かれた若者の学校から職業への移行過程に関する社会的排除問題について、特に彼/彼女らのアイデンティティ形成と社会的ネットワークの観点から、低階層出身の子ども・若者、児童養護施設経験者・児童自立支援施設などを対象とした各種の社会調査をもとに、現代日本における「社会的排除」のメカニズムとその内実を描き出す研究を行っている。

 また、勤務地でもあった名取市を中心に、東日本大震災による地域社会への被災の影響と復興過程に関するフィールドワークに基づく調査研究に取り組んでいる。