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OG・OB紹介

vol.01 柴崎英さん 関西大学大学院商学研究科 在籍 vol.01 柴崎英さん 関西大学大学院商学研究科 在籍

 データを扱うプロジェクトを前職で経験して、データから新しいことを発見するおもしろさに気付いたんです。

 僕の大学時代の専攻は文系で、数学も高校の早い段階で挫折しました(笑)だから数字とかデータって嫌いだったんです。 プロジェクトの間は、毎日データとにらめっこで嫌でしたね。 でも、そんななかでも、「あっ、こんな傾向があるんだ」とか「これは知らなかったな」と思う瞬間があって、少し興味を持ちました。 ただ、プロジェクト自体は本当にしんどいプロジェクトだったので、終わった直後は「もう絶対データのことなんかしない」と決意していました。

 それからしばらく経って、何となく気になるんですよ、データとか分析のことが。 しんどかったのに、ちょっとおもしろかったなと。そこから独学で統計を勉強し始めました。 そうしたら、どんどん興味が出て、本格的に学びたいと思い始めるまで時間はかかりませんでした。 僕のなかでは本格的=大学院というイメージがあって、進学を決意しました。


 現在の指導教授である矢田教授との出会いが大きいです。 私は大学院を卒業した後はビジネスの現場に戻ろうと思っていたので、大学院を選ぶときに2つの条件を考えていました。

  1. 実践的な研究ができる
  2. ビジネスで通用するデータ分析・プログラミング・企画開発のスキルを身につけることができる

 関西大学のホームページを見て、矢田教授が実践的な研究をされているということを知ったので実際にお会いしました。 そうしたところ、矢田教授の話を聞いて、私は「この人だ!」と感じました。 矢田教授は企業と連携してデータ解析や研究を行っており、ビジネスに直結する研究内容でした。 また、豊富な専門知識を持っているだけでなく人柄も気さくで話す内容も非常にロジカルで分かりやすく、この人のもとで研究をしようと決めました。


柴崎英さん

 現在は企業(小売業)から提供されたデータの分析をしています。※1 私が扱っているデータは大きく分けて3つです。 1つは顧客が店舗で「何を買った」のか分かるID-POSデータ、2つ目は顧客が店舗内の「どこを移動した」のか分かるRFIDデータ、3つ目は顧客が売場で「何を見た」のか分かるアイトラッキングデータです。 この3つのデータを融合して解析することで、今まで分からなかった顧客の特徴や新しい売場作りを研究しています。

 提携している企業から分析テーマをもらうこともあります。 そのようなときは企業側の担当者と打ち合わせを重ねて、分析の方向性を何度も修正しながら精度を上げていきます。 最終的には企業の重役や現場担当者の前で分析結果を発表する機会が設けられます。 データ分析は分析結果を出すだけでなく、各担当者から意見を吸い上げて分析に反映させること、出た結果を現場や意思決定者に分かりやすく伝えることが重要です。 企業からテーマをもらって分析をすると、そういったことを実際に体験できるので非常に学びが多いです。

※1:個人が特定できない状態でデータの提供を受けています。


 データを分析していると未知の可能性に出会うことが最大のおもしろさですね。 今まで分からなかったこや説明できなかったことがデータから説明できるようになることがおもしろいです。

 そこに至るまでには扱うデータのクリーニングや適した分析方法の取捨選択、分析結果の解釈、実務上有効な提案への落とし込みなど、さまざまなプロセスがあります。 ときには思うように分析が進まずに、悶々とするときもあります。もう、生みの苦しみ(笑) そういうときは頭からデータのことが離れません。 移動中や食事のとき、それだけでなくお風呂やトイレのときも考えていますね。 寝る前にも考えたりするのですが、ひどい時はパソコンの画面にデータが次々に映し出される夢まで見ます(笑) でも、そうやって考えていると、何かのキッカケで頭の中でピカーンっと閃きます。これは快感ですね。


柴崎英さん

 様々な種類のデータに触れてみたいですね。 技術の進歩によって、今までは取得できなかったデータが手に入るようになってきました。 僕にとってデータは未知の可能性が詰まっている宝箱みたいなものなので、自分が触れたことがないデータを見ると心が躍ります。 様々な種類のデータを分析して、その中から新しい知見を見出していきたいです。 そして、その知見を企業や実務担当者にフィードバックして、研究成果を世の中に還元できたら嬉しいです。