DSプログラム

OG・OB紹介

vol.05 孫易さん 関西大学商学研究科 vol.05 孫易さん 関西大学商学研究科

 四回生の時、私は将来の進路に対して明確な目標を持っていませんでした。中国では多くの人が大学院を受けていましたので、自分も同じように進学を考えていました。ですが、私の学部は日本語科で、将来どの方面へ進学できるのか全然わかりませんでした。ただ、三回生の時に参加したインターンシップで、データサイエンティストが重要だと感じていました。そんなときに矢田先生が私の大学—浙江工商大学で講演会を開催してくださいました。その時に産学連携DSプログラムに触れ、その機会を非常にありがたいと感じました。また、講演で矢田先生から「大学院ではデータ処理の基礎から教育し、勉強の中で企業と協力して、共に課題を研究する。」、「本の中の知識を学ぶのではなく、実際にそれを使って実践しなければならない。」と聞き、これは自分にとっての挑戦だと思いました。未知の分野を探索することができるし、自分の向いていることをもっと理解できることから、大学院への進学を決めました。


 以前に関西大学の文学研究科に通っていた先輩がいましたので、私もこの学校に対して興味を持っていました。また、この分野を知ったきっかけが矢田先生の講演だったからです。

 インターネットでいくつかの資料を調べた後、この分野では、矢田先生の研究が最前線で注目されていることを知りました。また、矢田先生のラボでは、データサイエンスを学ぶことができる日本初のプログラムとして必要な知識と技術、経験を積む機会がありましたし、現役のデータサイエンティストから直接教えていただけるインターンシップもありましたので、本当にいいチャンスだと思いました。そこで、このチャンスをつかむために関西大学大学院を選びました。


仲渓さん

 現在顧客のセルフコントロールや商品の価格プロモーションがバイス商品の購買行動に与える影響を研究しています。バイス商品とは、お菓子やコーヒーのような嗜好性の強い商品です。顧客が自分の行為をコントロールする力は、コントロールし続けたり、疲れが溜まってきたりすると弱くなることが知られています。このコントロールする力が弱くなるとセルフコントロールの失敗を引き起こします。買い物の場面では、ショッピングが長くなるとコントロールする力が弱くなり、衝動買いしやすくなると考えられています。ある研究では、ショッピングの時に、入店してからの経過時間がコントロールする力の減少を表すことが示されていました。しかし、値引きのような価格プロモーションがあるとき、顧客のコントロールする力の減少は購買行動にどのような影響を与えるのか、ということについて誰も研究していませんでした。そこで、これらの関係性を研究しています。


 研究課題を解決するところが一番楽しいところだと思っています。

 私は一つの明確な目的を定めて研究に取り組む中で、先行研究を繰り返し整理し、課題解決のための方法を考えてきました。研究の過程は非常に苦痛でしたが、それだけに課題を解決できたときは一番楽しく、とても達成感がありました。同時に、データを使って理論を証明し、データで現実に存在する現象を発見することもまた、研究の過程で多くの楽しみを与えてくれました。


仲渓さん

 大学院を卒業してから、中国に帰って就職します。データ分析についてまだまだ勉強が必要だと感じていますが、在学中に多くの最前線のデータ分析手法と理論に触れ、視野を広げることができました。

 帰国後、私はこれらの新しい方法と理論を伝えていきたいと思っています。大学院での学びから、意識の育成が機械学習より大切であることがわかりました。また、矢田先生から、私も多くのすばらしい習慣を学びました。例えば、課題に対する厳格な態度、こつこつと勉強する精神、これらは私の今後の仕事に対して大きな助けになります。

 これからも努力して、着実に仕事をできるようがんばりたいと思っています。